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航空英語のShould

航空英語のShould

航空英語のShouldは、日常英会話とは違い少し独特な使い方をすることがある。
学生時代に習う意味としては「〜するべき」「〜すべき」「〜しなければならない」が大概の用い方になっている。
そもそもShouldに似た助動詞でmust>have to>shouldがあるがこの順番こそが今回の航空英語のShouldの用い方に関わってくる。 航空英語の基礎はコチラ

航空英語のShould

クロスカントリーで必ず聴く

航空英語のShouldはクロスカントリーで必ず聴くと言っても過言でない単語である。
Shouldは「〜すべき」「〜するべき」「〜しなければならない」などの助動詞の扱いがある一方で可能性を表す語句としても使うことがよくある。
良く表現されるのは70%程度の確立や可能性を表す際に用いられる。
ここで頭が混乱した君はプライドを捨て今一度、中学英語を見直してみよう。
その行為こそが安全で社会性あるパイロットの大切な一歩になる。
Shouldの他にCouldもあるが今のところ航空管制で私は聞いた試しがない。

Shouldの例文

言葉で並べても良く理解できないかもしれないから表すなら「関西人」ということにしてみよう。
要は「行けたら行くわ。」である。*クレームは問い合わせ窓口まで。
A. Can you come to Jack’s birthday party tonight ?
B. ya,,,I should be alright.
説明はこれで不要なはずだ。
要は青年Bは「多分大丈夫なはず。」=「行けたら行くわ。」になるのだ。

航空英語のShould

そもそも曖昧な語句をATCで用いていいのか

ここまで聞いてみると「そもそも曖昧な語句をATCで用いていいのか」と疑問になるだろう。
その考えは正しい。
しかし、航空英語や航空管制は「明瞭簡潔」が必須であり正しい文法よりもいかに限られた環境の中で正しく交信するかが重要なのである。
そこで用いられるのが今回のメインテーマ‘Should be no factor’である。

Should be no factor.

Should be no factor.
結論から言えば「影響はない」になるがここでなぜShouldが用いられるかというと、空に絶対の安全など存在せず、互いの信頼関係を元に安全をカバーしているに過ぎず、航空管制官も正直なとこ責任は追いたくないというのもあるはずだ。
ここでShouldが用いられる際たる理由としては「影響はないでしょう」「影響はないと思われる」とモニター越しでしかトラフィックの状況を把握できない管制官からすればこれが最大の答えになるのだ。

Should be no factorの例文

BC approach, Cessna 122B climbing to 5500ft, heading 250 maintain VFR.
Cessna 122B, BC approach roger that.
BC approach, Cessna 122B maintain 5500ft, heading 250.
Cessna 122B, BC approach traffic coming from head on you, should be no factor.
まさに航空英語とはこれのことだ。
5500ftに上昇中のセスナがいて、上昇完了後に水平飛行していたところ自機の進行方向から他の飛行機が来ているが影響はないであろうという交信だ。
このような際に追加で‘keep look around’‘keep watching’などと言われることもあるが、航空英語を使いこなす上で重要なのは英語の基礎である。

日本人が陥りやすいスランプ

日本人は勤勉で真面目。これは覆し用のない事実だ。
しかしながら世界のフライトスクールを見てきた経験からすると、英語の基礎がないために航空英語で挫折している。
今回のShouldの用い方も基礎を勉強していれば上空で言われても慌てることはないが、航空管制英語(ATC)だけを勉強しているとそれは事故にもつながる。
まずは英検3級でもいいから始めることによって自分の能力を測ることができるのと同時にプロパイロットを目指すのであればまずは「自分の立ち位置」を把握することも重要なプロセスである。

英語力とコミュニケーション力は生死分ける

言葉を選ばず言えば、この方に教えたフライトスクールと自分の身の程を知らずに飛行した本人の責任である。
むしろ街中に墜落しなかったのが不幸中の幸であり、そこは彼女のプロとしての意識だったのかもしれない。

最後に

最後に航空英語のShouldの使い方のまとめとして、日常英会話で習う意味の他にも用い方はたくさん存在する。
もしかしたらイギリスでは違う表現かもしれないが世界のATCは英語または母国語になってる以上は英語の基礎を勉強しておいて何も不自由はない。
今回のような‘Should be no factor’はくれぐれも正しい英文法とは言い難いが、それは日本語でも同じだ。トー横キッズなんか私からすれば日本語ですらない。
これからパイロットを目指す人たちにはとにかく基礎の英語を学んでほしい。
嘘のように聞こえるかもだが、ある日突然「分かる」日がやってくる。
それには明日から始めるのではなく今から始めることが重要だ。
安全運航は日頃の小さな成功体験によってもたらされるのだ。