Standbyの使い方、間違えると危険です。

Standbyの使い方、間違えると危険です。

意外と知らないStandbyの使い方。

航空英語の中でもStandbyはよく使われる単語ですが、使い方を間違えるととても危険だ。
日常に潜むスタンバイと照らし合わせながら見ていく。

1. Standby基本の意味と違い

「Standby(スタンバイ)」と聞くと、多くの人が「準備OK」「今すぐ使える状態」と思うかもしれない。テレビやスマホ、ゲーム機などでよく見る“スタンバイモード”がまさにそれである。

しかし航空無線では 全く意味が違ってくる。
航空英語における”Standby”は、「今は対応できないので、待っていてください」という意味の命令なのだ。

つまり、“今すぐ動ける”どころか、「今は動くな」に近い表現。

Standbyの使い方、間違えると危険です。

2. よくある誤解とリスク

❌「Standby = 準備できたよ」のつもりで使う → 危険!
例えば、「Ready for takeoff. Standby.」と返すと、意味が噛み合わない。パイロットが「準備OK」と言っているつもりでも、ATCは「こいつはまだ対応できないのか」と受け取る可能性もあるのだ。

🛋️ 家電の“スタンバイ”との混同
家電での「スタンバイ」は、「もう使えますよ」「操作を待ってます」という受動的な状態
航空英語の“Standby”は逆で、能動的な“今は待て”の指示なのだ。


3. Are you ready? との違い

“Are you ready?”は、「準備できてますか?」とこちらが相手に確認するフレーズ
一方で“Standby”は、「こちらが準備できてないから待っててね」という一方的な待機命令

“Are you ready?” = I’m asking if you’re ready.
“Standby” = I’m telling you I’m not ready.

たった一言でも、伝える側と受け取る側の意図がズレた瞬間、事故のきっかけになりうる。


4. 結論:空のStandbyは“動くな”

航空無線において“Standby”は、「Yes」でも「OK」でもない。
むしろ「今は黙って、呼ばれるまで何もしないで」というストップサインなのだ。

無線では、指示が明確に出るまで動いてはいけない。Standbyを「YES」の代わりに使ってしまうと、意図しないまま交差する飛行機や車両が動いてしまい、深刻なトラブルを招く可能性が大いにある。


🤍 最後に – “でも、家族や恋人には Stand by you.”

空では、Standbyは「待て」
でも地上では、Stand by you —— 「あなたのそばにいるよ」

言葉は使う場所で意味が変わる。
だからこそ、空では正確に。人には誠実に。
それが、パイロットの責任であり、信頼である。
何度も言うようにお互いの信頼関係あっての地上の安全と空の安全なのだ。


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